大館市: 歴史
大館市周辺の北秋鹿角地方は縄文時代の遺跡が多く残る地域で、大館市内にも170か所におよぶ遺跡が確認されている。8 - 9世紀ころまでは蝦夷の地であり、当時は大館市周辺は火内(=比内)と呼ばれる大和朝廷の勢力の及ばない地域であった。
大館地方が文献に初めて登場するのは『日本三代実録』元慶2年(878年)条の元慶の乱の記事で、秋田城下の村の一つとして「火内」と記され、大館地方は古来から比内郡の一部であった。
平安時代末から鎌倉時代初頭には、二井田(旧二井田村)地区に奥州藤原氏の郎党・河田次郎(河田守継)の館(贄の柵)があったとの伝承があり、奥州合戦に敗れた藤原泰衡はこの地で河田に裏切られ、殺害されたとされる。なお、同地は中世の城館遺跡である二井田館も所在する。
1590年(天正18年)に豊臣秀吉の朱印状により比内郡が秋田郡に編入され、以後、1878年(明治11年)に旧比内郡のほぼ全域が北秋田郡となるまで秋田郡に属していた。
関ヶ原の戦い以後、常陸国から佐竹氏が移封され、大館城には現在の常陸大宮市から佐竹氏に従って移った小場義成(佐竹西家)が城代として入城して、江戸時代には久保田藩の大館城下として栄えた。
しかし戊辰戦争のおりに十二所の戦い・大館城攻城戦などの激しい戦闘が行われて大館城などの中心部を含む市内の広範囲の部分が焼失した。とくに中心部は町屋29軒しか残らなかったほど焼き尽くされ、その後も大正・昭和期に中心部が幾度となく大火にみまわれ、歴史的な建造物や城下町だった面影はほとんど残っていない。
近世では、1885年(明治18年)に花岡村で黒鉱などが発見されたことを初め、広範囲で鉱山が開山された。鉱石の運搬などのため秋田県でもいち早く鉄道網が整備され、1980年ころまでは秋田県の都市圏の中では秋田市に次ぐ規模として人口も増加し周辺が発展していった。しかし、昭和時代後半には資源の枯渇にともない鉱山の閉山が相次ぎ、人口が流出すると同時に鉄道の廃線や商業施設の衰退など市として一時の勢いがなくなり、秋田県の都市圏としても2000年以降6位まで下落している。
1980年代後半からは大手医療機器メーカーニプロが進出し、秋田県内では最大規模の工業団地を形成している。
==== 明治時代以降 ====
年表中、とくに記述のない町村はすべて北秋田郡
1899年(明治32年)
6月21日 - 官設鉄道の碇ケ関駅 - 白沢駅間が秋田県で初めて開通し、陣場駅・白沢駅が矢立村に開業する。
11月15日 - 官設鉄道の白沢駅 - 大館駅(大館町・釈迦内村境界付近)間が開業し、大館駅から青森駅まで開通する。
1900年(明治33年)10月7日 - 官設鉄道の大館駅 - 鷹ノ巣駅(鷹巣町)間が開通し早口駅(早口村)が開業する。
1909年(明治42年)5月7日 - 小坂鉄道株式会社が小坂鉄道小坂線・長木沢支線(大館駅 - 小坂駅間)の旅客営業を開始する。
1914年(大正3年)7月1日 - 秋田鉄道が大館駅 - 扇田駅(扇田村)間を開業すると同時に東大館駅(大館町)が開業する。
1915年(大正4年)
1月19日 - 秋田鉄道が 扇田駅 - 大滝温泉駅(十二所町)間を延伸し開業する。
12月25日 - 秋田鉄道が大滝温泉駅 - 鹿角郡錦木村(現・鹿角市)の毛馬内駅間を延伸開業し、同時に十二所駅(十二所町)が開業する。
1916年(大正5年)1月26日 - 小坂鉄道花岡線(大館駅 - 花岡駅間)が開業する。
1919年(大正8年)5月27日 - 大館町の中心部(大町・馬喰町周辺)550戸を大火で焼失。
1945年(昭和20年)6月30日 - 花岡鉱山で花岡事件が起きる。
1947年(昭和22年)8月12日 - 昭和天皇の戦後巡幸。大館駅前に奉迎場が設営された。
1951年(昭和26年)7月21日 - 集中豪雨により長木川で逆流が発生。濁水が市内に流れ込み500戸以上が軒下まで浸水。
1953年(昭和28年)4月29日 - 中心部(郵便局・電報電話局・公立大館病院などの官公庁街)が大火で焼失。
1954年(昭和29年)7月1日 - 市章を制定する。
1955年(昭和30年)5月3日 - 大館駅を含む大館駅前が大火で焼失。
1956年(昭和31年)8月18日 - 大館大火。東大館駅前から大町など中心市街地一帯を大火で焼失。台風9号通過に伴うフェーン現象が被害を大きくした。
1959年(昭和34年)- 1956年の大火からの復興をきっかけに大館市唯一の百貨店正札竹村が大町に開業する。
1961年(昭和36年)10月 - 第16回国民体育大会バスケットボール競技が秋田県立大館鳳鳴高等学校体育館で開催。昭和天皇、香淳皇后が行幸啓。
1968年(昭和43年)
8月16日 - 市長の発案により、旧盆送り火行事・大文字まつりが初めて開催される。
10月12日 - 御成町2丁目(大館駅近郊)を大火で焼失。
1973年(昭和48年)- 秋北バスターミナルが開業。
1983年(昭和58年)9月 - 1984年の東北自動車道・十和田IC供用開始に合わせ国道103号大館バイパス開通。
1985年(昭和60年)4月1日 - 同和鉱業花岡線が廃止される。
1988年(昭和63年)7月 - ジャスコ大館店がオープンする。
1994年(平成6年)
大館市の鉱山で最大規模だった花岡鉱山が採掘を終了し、閉山する。
10月1日 - 小坂鉄道小坂線が旅客営業を廃止する。
1997年(平成9年)7月11日 - 国内最大規模の木造建築とされる大館樹海ドームが完成する。8月1日から一般供用開始。
1998年(平成10年)12月5日 - 日本海沿岸東北自動車道・国道7号大館西道路および国道103号大館南バイパスが供用開始し、大館市で初めて高速道路が開通した。
2001年(平成13年)7月2日 ‐正札竹村が廃業し、市内から百貨店が姿を消す。
2005年(平成17年)‐1952年に洋画専門館として開館した御成座が、経営難により閉館する。これにより市内から映画館が姿を消す。
2006年(平成18年)8月20日 - ジャスコ大館店が閉店する。
2009年(平成21年)4月1日 - 小坂鉄道小坂線が廃止される。
2013年(平成25年)
8月9日 - 大館市で1時間に120mm以上の「これまでに経験のないような大雨」を記録。
10月1日 - 利用者数減により市内最大のバスターミナル・秋北バスターミナルが廃止される。
11月30日 - 秋田自動車道 大館北IC - 小坂JCTが開通し、同時に大館西道路が秋田自動車道に編入され東北自動車道と接続される。
2014年(平成26年)
7月18日 - 2005年に閉館した御成座がリニューアルオープンする。
8月31日 - 日景温泉が120年余の歴史に幕を下ろし、営業を終了。尚、リニューアルオープンに向けて2016年9月現在、大規模改修工事が進められている。
2020年(令和2年) - 新型コロナウイルス感染症対策のための市内の小・中学校で臨時休校を実施。祭事やイベントなども中止された。
2021年(令和3年)5月6日 - 市役所新庁舎が完成し、この日より新庁舎での業務を開始。
2022年(令和4年)8月3日 - 集中豪雨により下内川の堤防が沼館地区で決壊して氾濫。水田や住宅地に濁水が流れ込み住宅が浸水する被害。奥羽本線も路盤が流出するなどして運休。 …