Gedichte · Präfektur Fukuoka ·

椰子の実

名も知らぬ遠き島より

流れ寄る椰子の実一つ

故郷の岸を離れて

汝はそも波に幾月

旧の樹は生ひや茂れる

枝はなほ影をやなせる

われもまた渚を枕

孤身の浮寝の旅ぞ

実をとりて胸にあつれば

新なり流離の憂

海の日の沈むを見れば

激り落つ異郷の涙

思ひやる八重の汐々

いづれの日にか国に帰らん

— 島崎藤村

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Quelle: 島崎藤村 († 1943) · gemeinfrei · Wikisource