美郷町 (島根県): 歴史
美郷町の中心地である粕渕は中国山地を北流する江の川が大きく湾曲し、西流する地点にあって、江の川舟運の要地として栄えてきた。江戸時代は天領石見銀山の支配地で、幕末の慶応2年(1866年)には第二次長州征伐に出陣した備後福山藩主阿部正方が脚気を患い、逗留したこともあった。
浜原は、上流から小舟でやってきた荷物を大舟に積み替える場所で、問屋が並び栄えていた。明治時代に入ると地域の道路が整備され始め、大正時代に上流で熊見水力発電所が完成すると舟運が途絶え、商業の中心地は粕淵へ移った。
昭和時代初頭に延伸してきた三江線は、当初、江の川の湾曲部分をトンネルでショートカットする計画で、粕淵、浜原を通らない予定であったが、地元の運動により川沿いにルートを移した。なお、三江線は2018年に廃線となった(後述)。